さて、あなたも色々なエフェクターを使っているかも知れません。
コンプレッサーなどのダイナミクス系、オーバードライブなどの歪み系、コーラスなどのモジュレーション系、ディレイなどの空間系といった具合に、数個のエフェクターを使っているかも知れませんね。

本当はアンプ直でガツーン!といきたいところですが、音楽の方向性などを考えると、なかなかそうも言ってられません。

ギター・スイッチングシステムがなかった時代の大変さ

今は一般的に使われているギター・スイッチングシステム(プログラマブル・スイッチャー)ですが、それが無かった時代には、リハーサルやライブでのエフェクターの踏み替えは本当に大変でした。

例えば、コンパクトタイプのコンプレッサー、オーバードライブ、コーラス、ディレイという4つのエフェクターの場合の踏み替えを考えてみましょう。
ある曲のAメロはコンプレッサーとコーラスを使い、続くBメロではオーバードライブとディレイを使いたい、といった場合、この踏み替えをサッ!とやるのは非常に難しいです。

Bメロに入る瞬間にコンプレッサーとコーラスをOFFにして、同時にオーバードライブとディレイをONにしなければいけないわけですから、これは至難の業です。
こういった事は、多くのギタリストが苦労していたんですよね。

エフェクターボードでの各エフェクターの位置を変えてみたり、踏み替える対象のエフェクターのスイッチをものすごい勢いで連続して踏んだり、踏むときの足を横にして一気にON・OFFできるようにしたりとか、まぁ、色々と試行錯誤していたものです。
そこに美学とこだわりを持つギタリストもたくさんいましたけどね。

ギター・スイッチングシステムはギタリストの思考を変えた!

しかしその後、ギター・スイッチングシステムが市場に出回るようになり、これは便利だと、大ヒットしましたね。

スイッチングシステムの仕組みを簡単に言うと、例えば5つのループを持つ機種だったとします。
そして、

ループ1にコンプレッサー
ループ2にゲインブースター
ループ3にオーバードライブ
ループ4にフランジャー
ループ5にディレイ

というようにつなげたとしましょう。
そして、各ループにギターからの信号を通すか通さないかを本体にプログラムするわけです。

例えばプログラム1にループ1とループ5だけの信号を通すようにプログラムすると、ゲインブースター、オーバードライブ、フランジャーへの信号がキャンセルされ、コンプレッサーとディレイだけ掛かった音が出力されます。

また、プログラム2にループ3、ループ4、ループ5だけに信号を通すようにプログラムすると、コンプレッサーとゲインブースターへの信号がキャンセルされ、出音はオーバードライブとフランジャー、ディレイが掛かったものになります。

そして、このスイッチングシステム本体とMIDIフットコントローラー(一体型フロアタイプもある)をつないでやれば、足元のペダルを一つ踏むだけで音色が一瞬にして切り替わります。

これは便利ですよね。
なにしろ、あれだけ苦労してエフェクターの踏み替えに力を注いできたのに、ペダルを一回踏むだけでOKなんですからね。
これはもう、ギター業界の革命と言っても過言ではないでしょう。

僕の場合はこうだった

さて、その当時、僕が使っていたのはローランドのGP-16というラックタイプのマルチエフェクターと、デジテックのIPS-33という、その頃としては画期的なハーモニーを作ってくれるラックタイプのピッチシフター、そして同じくデジテックのDSP-128という空間系のマルチエフェクターでした。

それらを全てMIDIでつなぎ、MIDIフットコントローラーで制御していたのですが、どうしても使いたいコンパクトエフェクターがあったんですね。

でも、ラックタイプならMIDIで全てのエフェクターのプログラムを一気に切り替えられるのですが、コンパクトタイプを使うとなると、その分、そのON・OFFを別に行う必要が出てきます。
こうなってしまうと、MIDIを使って便利にコントロールしていたのに、またアナログ的なやり方に戻ってしまいます。

そこで、ラックタイプもコンパクトタイプも全て、一元コントロールできるスイッチングシステムの導入を、と、僕は考えたのです。

さて、その当時のギター・スイッチングシステムの最高峰と言えば、ボブ・ブラッドショウさんが世に送り込んだブラッドショウ・スイッチング・システムでした。

これは、パッチングされたエフェクターの切り替えだけでなく、ラックエフェクターのパラメーター(設定)のコントロールまでできたんですね。

ですので、例えばディレイタイムをリアルタイムでコントロールして、早い間隔のリピートから、徐々に遅い間隔のリピートに変化させる、なんてことが簡単にできたのです。

僕は、このブラッドショウ・スイッチング・システムが欲しかったんですよね。
でも、本体とコントローラーのセットで、確か70万円くらいしたと記憶していますが、そんな高いもの、おいそれと買えません。
なので、泣く泣くあきらめたのです。

そこで、もっと価格的に手に入りやすく、高機能な物はないかと調べ、見つけたのがロックトロンのパッチメイトというスイッチングシステムでした。

確か11万円くらいだったと記憶していますが、その機能はブラッドショウ・スイッチング・システムにも勝るとも劣らないくらい、コストパフォーマンスに優れたものだったのです。

パッチメイトは、ラックタイプもコンパクトタイプも制御できるし、アンプのチャンネルも切り替えられるので、とても便利なんですね。
なので、70万円に比べたら、11万円と言えども安く感じます。

さて、そこで、このパッチメイトを買うついでに、いっその事、一気にギターシステムを変えてしまおうと考え、ずっと使っていたローランドのJC-120というアンプの代わりに、パッチメイトと一緒にマーシャルのJCM900を購入しました。

一気にギターシステムが変わったと同時に、もちろん金欠になりました、ハハハ。

今はもう使ってはいませんが、僕はこのパッチメイトには本当にお世話になりました。
コンパクトエフェクターを3つくらい、ラックエフェクターも3つくらいループにつなげてプログラムし、一元コントロールしていました。

さらに、JCM900はノーマルとドライブという2チャンネル仕様でしたので、一つはクリーンセッティング、一つはドライブセッティングにして、その切り替えもパッチメイトでコントロールしていました。

それまでは、ドライブサウンドはエフェクターで作っていたのですが、これによって本物の真空管(チューブ)のドライブを得ることができたので、そりゃあもう、大満足でした。

今は、スイッチングシステムもラックタイプではなく、足元に置く一体型フロアタイプもずいぶん出回ってきました。
価格もずいぶん安くなったので、エフェクターが多くなってきて切り替えが大変だ!なんて思っていたら、導入を検討してみてもいいのではないでしょうか。

ギター・スイッチングシステムは本当に便利ですからね。