今回はレスポールの対抗馬、フェンダーで有名なストラトキャスターの秘密に迫ります。
その抜群なプロポーションを持つこのギターにも、やはりメリットとデメリットがありました。
パッと見ただけでは気づかないようなところまで、突っ込んで深くお話ししましょう。

ギターにはたくさんの種類がありますが、ギターと言えばレスポールかストラトキャスター、と一般的に認知されているくらい圧倒的な人気とシェアを誇っています。
なにしろ双方とも長い歴史がありますからね。

フェンダー(Fender)の人気ギター、ストラトキャスター(Stratocaster)

ストラトキャスターの特徴

さて、ではスペックについてお話しします。
年代やモデル、メーカーの仕様にもよりますが、ネック材はメイプル、ボディ材はアルダーが一般的です。
指板(フィンガーボード)は通常メイプルかローズですが、高級モデルにはエボニー指板もあります。

エボニー指板は真っ黒でカッコいいんですよね。
ローズには個体差があって、濃い茶色ならいいのですが、薄いローズでおまけに変な木目が入っていたりするとガッカリすることもあります。

ピックアップに関して言うと、一般的にはフロント、センター、リアというように、3つのシングルコイルピックアップをマウントしています。

余談ですが、欧米ではフロントピックアップのことをネックピックアップ、センターピックアップのことをミドルピックアップ、リアピックアップのことをブリッジピックアップと呼びます。

それを知らない頃、ピックアップ交換をしようとギターからリアピックアップを外して裏を見たら、そこに「B」というシールが貼ってあり、

えーっ、これってもしかしてB級品なのー?

なんて思った記憶があります。
普通にBridge(B)Pickupだったんですけどね。

さて、この3つのピックアップこそがストラトキャスターがストラトキャスターたる所以(ゆえん)であり、不動の人気を持つ理由の一つです。
ピックアップが3つあることで、ハーフトーンが出せるというのは大きな魅力でしょう。

ハーフトーンは、センターピックアップ+リアピックアップとか、センターピックアップ+フロントピックアップというように、2つのピックアップから音を出力することで出来上がる独特なサウンド。

よく「鼻づまり」なんて表現されるハーフトーンですが、何と言うか、不思議でキレイな音ですよね。
ハーフトーンにコンプレッサーとコーラスを掛けてカッティングやアルペジオを弾いたら、うーん、もうたまりません。
それだけでギターの腕が上がったような気になります。

余談ですが、このハーフトーンは、80年代にパーソンズ(PERSONZ)の本田毅さんの登場で、その使い方や認知度が変わっていったような気がします。
ハーフトーンは、主にクリーンでのカッティングやアルペジオといった使い方が一般的でしたが、本田さんは何と歪ませてもハーフトーンを使っていたんですよね。
当時の僕はそれに衝撃を受けたものです。

「そうか!ハーフトーンにディストーションを掛けてもいいんだ!」なんて。
ギターに先入観や常識は通用しないんですね。
そんなこともあり、僕は今でも本田毅さんのギタープレイが大好きです。

本田さんにあこがれて、当時シェクターのストラトキャスターを買っちゃったくらいです。
値段が高くて、かなり無理をしましたけどね、ハハハ。

さて、ストラトキャスターのキャラクターとしては、音にアタック感もあるし、太みもあるし、トレモロユニットをマウントしてるし、ピックアップの組み合わせも多彩だしで、オールマイティに様々な音楽ジャンルで使えると思います。
なので、一番ポピュラーなギターですよね。

いまどきのダブルカッタウェイ仕様のギターは、その多くがストラトキャスターのボディシェイプをベースにしていることからも、それが伺えます。

また、ネックとボディのジョイント方式ですが、ギブソン系と違ってボルトオン(デタッチャブル)仕様になっています。
ギブソン系はセットネック仕様といって、ネックとボディをタイトボンドやニカワといった接着剤で貼り付けています。

しかし、フェンダー系のギターに採用されているボルトオン仕様は、ネックとボディをネジ(スクリュー)で固定しているものなので、万が一のネック交換も容易なのです。
しかも、シム(紙でもピックでも薄いものなら何でもOK)をジョイント部にはさんで、ネックのセット角度を調整することができます。

ストラトキャスターの選び方の注意点

それと注意なのですが、ストラトキャスターは大別してヴィンテージ系とモダン系とあり、双方では若干仕様が違います。
ヴィンテージ系のネックは21フレット仕様で指板のRが丸いのですが、モダン系のネックは22フレット仕様で指板のRは緩やかです。

何が違うかと言うと、モダン系の22フレットであれば、1弦22フレットでの全音チョーキングでE音まで届きます。
レスポールの話でも言いましたが、このE音は結構使いますので、22フレットあるメリットは大きいと思います。
これをヴィンテージ系の21フレット仕様でE音まで届かせようとすれば、1音半チョーキングする必要が出てくるわけです。

それもカッコいいんですけどね。
特に、目をつぶって口をポカーンと開けた状態での1音半チョーキングは、はたから見ると最高にカッコいい・・・ような気がしなくもありません。

また、指板のRが丸いと、ハイポジションでのチョーキング時に音切れしてしまいます。
ですがネックのグリップ感に関して、個人的には指板のRが丸い方が握りやすいように思います。
なので、もうこれはどちらがいい悪いではなく、完全に好みでしょうね。

ストラトキャスターの弱点はココ

ではデメリットについてお話ししましょう。

まず、マスターボリュームの位置はどうかなーと思います。
弦に近いからボリューム奏法はやりやすいのですが、弾いているうちにピッキングする手がボリュームノブに当たってしまい、いつの間にかボリュームが下がったりしてしまいます。
弾いているうちにゲインが下がってしまうのは非常に困りもの。

なので、僕はマスターボリュームのノブを外して、ポットの軸が丸見えの状態にしています。
こうすれば、ボリュームに手が当たってもそうそうボリュームを変えてしまうことはないですからね。
ただし、ボリューム奏法は非常にやりづらいですけどね。

一般的なストラトキャスターにはマスターボリューム、トーン×2というように3つのノブがあるが、いまどきのモデルにはマスターボリュームとマスタートーンの2つしかノブのないストラトキャスターもある。
その場合はマスターボリュームが弦から離れているので、意図しないボリューム変化を避けられる。

それと、これはもう本当にイヤになってしまうのですが、弦落ちです。

弦落ちとは、主に1弦ですが、弾いている時に弦が指板上から落ちてしまうことを言います。
これは、弦間ピッチ(ストリングピッチ)がギブソン系より広いストラトキャスターの宿命ではあるのですが、まぁ、弦落ち対策もあるにはあります。

それでも、やはりストラトキャスターはいい!

さて、このように芸術品とまで賞賛されるストラトキャスターにも弱点はあるわけですが、それは仕方ない部分でもあります。
やはりストラトキャスターでないと絶対に出ない音があり、しかも、その音が最高にカッコいいものですから弱点もまた可愛いもの、ということにしたいところですね。

ギターは不完全な楽器、なんて言われますが、ある意味ではこれが究極のギターなのかも知れません。
60年も前に設計されたギターであるにもかかわらず、いまだに基本的な構造を変更していないのがその証なのではないでしょうか。