プリアンプやパワーアンプ、スピーカーキャビネットといった個別の機器を、好みの組み合わせて使用することをコンポーネントといいましたね。

今回はプチコンポーネントについてお話ししましょう。
プチコンポーネント・ギターアンプシステムと言うのは、僕が作った造語です。

これを簡単に言うと、今持っている機材を活かして、無駄の無いようにアップグレードする、といったところでしょうか。

もっともこれは、アンプにセンドリターン(エフェクトループ)端子があるギターアンプが前提です。
あなたのギターアンプのリアパネルを見てください。
そういった端子は付いていませんか?

30Wくらいまでのコンボアンプには付いていない可能性が高いですが、50Wクラス以上のコンボアンプやアンプヘッドには、たいていの場合あると思います。

センドリターン端子の本来の利用法

まずセンド端子について説明します。
これはセンド(送る)ですから、プリアンプのラインレベル信号を出力する端子です。
Pre OutとかLine Out、FX Loop Outなんていう表示であったとしても、同じ意味です。

そしてリターン端子ですが、リターン(戻る)ですので、ラインレベル信号を入力するため(戻すため)の端子です。
Main InとかLine In、FX Loop Inなんて表示があっても、これもまた同じ意味です。

これらの端子の役割は、本来、コンボアンプやアンプヘッド内部でプリ部とパワー部が結線されていますが、それをいったん切り離すための回路なのです。

で、なぜこんな端子があるかと言うと、外部エフェクターをつなぐためのものなんですね。
プリ部で作った音信号を内部的にパワー部に直接送らず、センドから外部エフェクターのインプットにつなぐ。
そして、外部エフェクターのアウトプットから、そのコンボアンプやアンプヘッドのリターンに戻してやる。

これに何の意味があるかと言うと、モジュレーション系や空間系のエフェクターをこうやってつなぐと、音質の劣化が防げるからです。

では、整理してみましょう。
コンボアンプやアンプヘッドのセンド端子はプリ部のラインレベル信号を外へ出力する、そして、リターン端子は外からのラインレベル信号を受け取ってパワー部に戻す、ということですね。

センドリターン端子を別の使い方で考えてみる

さて、これをエフェクターのためだけに使用するのではなく、もう一歩進めて考えてみましょう。

センドリターンを使うと、プリ部とパワー部を切り離せるということは、そのコンボアンプやアンプヘッドの「プリアンプとパワーアンプを独立して使用できる」ということです。

つまり、外部プリアンプと、コンボアンプやアンプヘッドのパワーアンプをつなげることができ、また、コンボアンプやアンプヘッドのプリアンプと、外部パワーアンプをつなげることができる、ということになりますね。

これがプチコンポーネントの考え方です。

例えば、一般的なアンプは、ノーマルとドライブというような2チャンネル仕様になっていることが多いでしょう。
ノーマルチャンネルではクリーンセッティングで、歪みはドライブチャンネルで作り、それぞれをフットスイッチなどで切り替えたりしますね。

歪みを1種類しか使わないのであれば、これで対応できます。

しかし、クランチやオーバードライブ、ディストーションといった複数の歪みを使いたい、という場合にはチャンネル数が足りなくなってしまいます。

そこで、エディットした音色をプログラムできるプログラマブル・プリアンプやプリアンプ機能を持ったマルチエフェクターなどを使うわけです。
そして、そこからコンボアンプやアンプヘッドのリターンへつなぐと、もう立派なプチコンポーネントですね。

この場合は、コンボアンプやアンプヘッドのプリ部がキャンセルされますから、外部プリアンプとコンボアンプやアンプヘッドのパワーアンプという組み合わせになるわけです。

逆に、アンプヘッドのプリ部を使って他のパワーアンプを利用したい場合は、そのアンプヘッドのセンド端子から、外部パワーアンプへ送ってやればいいわけですね。

この場合は、アンプヘッドのパワー部がキャンセルされ、アンプヘッドのプリ部と外部パワーアンプという組み合わせになります。

こういったことが、僕の定義するプチコンポーネントです。
ただし、その組み合わせで出来上がる音の良し悪しを判断するのは、やはりあなたの耳なのです。

あなたがお持ちのコンボアンプやアンプヘッドに満足していればまったく関係の無い話ですが、プリ部のチャンネル数を何とかしたい、とか、パワー部のワッテージがもう少し何とかならないか、という場合にはこういった方法もあります。

買い換えるのではなく、今あるものを再利用するわけですから、やっぱりこれもエコですよね。