僕のバンドがよくレコーディングしていたスタジオに、ウエストサイドスタジオさんがあります。
そのレコーディングスタジオは世田谷の環八通り沿いにあり、スタッフの皆さんもとてもフレンドリーで、家族的な雰囲気の中で利用できる人気の高いスタジオです。

さて、まだ僕のバンドがデビューしたばかりで、もうずいぶん前の話ですが、ある有名アイドルグループと第一種接近遭遇したことがあります。
今回はそのお話をしましょう。

レコーディングスタジオでの出来事

その日は確か、アルバムの楽曲のリズム録りで、ドラムとベースのレコーディングをする日だったと思います。

大御所になれば、例えバンドであったとしても、自分のパートの録音以外の時はめったにレコーディングスタジオには顔を出さないものですが、まだ僕たちは新人でしたので、自分のパートの録音でなくてもちゃんとメンバー全員で集まっていました。

新人ですから、もちろん自分たちの機材は自分たちで運ばなくてはなりませんので、午後からレコーディングが始まるとしても、メンバーは午前中のうちにスタジオに集合して準備を始めるようにしていました。

その日も、いつものように午前中から汗を流して機材の搬入とセッティングをしていた僕たちでしたが、あまりにもいい天気なので、外の空気を吸いにたびたびスタジオの外に出て行ったわけなんですね。

そして昼食をとってからレコーディングが始まったのですが、ベースとドラムのリズム隊が頑張ってくれたおかげで順調に進み、ちょっと長めの休憩を取らせてもらったのです。
で、またメンバーで外の空気を吸いに行きました。

何でここに女子高生が?

それは午後の遅い頃だったと思いますが、そろそろレコーディング再開の時間なので、再びスタジオの中に入って行ったのです。

すると、スタジオの入り口に可愛らしい女子高生が3人くらいたたずんでいるのを発見しました。
いわゆる「出待ち」でしょうか。

あれ、何で女子高生がこんな所にいるんだろう?

俺に会いに来たんじゃない?

んなわけないじゃん!

そりゃそーだ!

なんて、メンバーで冗談を言いつつ、スタジオの中に入って行きました。

さて、ウエストサイドスタジオの入り口を入ってすぐのロビーには当時、卓球台があり、休憩時間とかレコーディングの待ち時間を利用して卓球で遊ぶ人もたくさんいました。

で、僕たちがそのロビーの前を通りかかったら、可愛らしい顔をした数人の少年が卓球で遊んでいたのです。

あれっ、何で少年たちが、こんな所にいるんだろう?
誰かのボーヤ(ローディー)かな?
それにしちゃ若すぎる気もするけど・・・

なんて疑問を持ちましたが、まぁ特に気にも留めず、再びレコーディング作業に入りました。

そのアイドルグループの正体とは!

夜になり、夕食をとって休憩していたときのことです。
ふと、昼間に卓球で遊んでいた少年たちのことを思い出し、仲良くなったスタジオのスタッフの人に聞いてみました。

ねぇ、昼間にさぁ、何だか可愛らしい少年たちが卓球やってたんだけど、あの子たちは何かな?

すると、そのスタッフの人がこう言ったのです。

あー、あの子たちね。
ジャニーズの新人グループなんだって。
今日はその歌録りだったみたいだよ。

あっ、そうか!
だから、外に女子高生がいたんだね、なるほど。
で、なんて言うグループ名なの?

えーっと、確かスマップって言ってたなー。

そうなんです、その少年たちはSMAPだったんですね。
その彼らが、数年後には日本のトップアイドルになるなんて、まさかその時は夢にも思いませんでしたけど。

まぁ、そういった事もあったわけですね。