
三和音、四和音といったコードの構造をお話ししましたが、それらは連結させコード進行(コードプログレッション)とすることで、楽曲の骨組みを形成することができます。
コードが進行することによって、それを基にメロディを作ったり、逆に、すでにあるメロディにコードを付けることができるようになります。
例えば、あなたが作曲時にギターを弾きながらハナウタでメロディを作るとしましょう。
その際、これから紹介する基本的なコード進行を覚えておくことによって、次のコードをどう動かしていけばいいかわかるようになります。
コード進行の基本がわかっていないと、「次のコードはどう進めばいいんだ?」なんてことになってしまうかも知れませんよね。
では、まず基本として、ダイアトニックコードでのコードの連結(コード進行)についてお話しします。
なお、ここでは三和音ではなく四和音でお話ししますが、もちろん三和音でもまったく同じことです。
メジャーダイアトニックコードでのドミナントモーション
Cメジャーダイアトニックコードにおいて、G7→C△7と進行する場合を考えてみます。
G7ですが、コードトーンであるB(長3度)とF(短7度)でトライトーンが作られるため、非常に不安定な響きとなっています。
このトライトーンを含むコードはとても不安定な響きになります。
試しに、ギターで5弦2フレット(B)と4弦3フレット(F)を同時に弾いてみてください。
おどろおどろしいブラック・サバスの世界がそこに展開されます。
そして、その不安定さを解消するために、Bは半音上がってCに進行したがる性質を持っており、また、Fは半音下がってEに進行したがる性質を持っています。
そこで、トニックコードであるC△7に進行すると、B→C、F→Eと進行するので自然な流れとなります。
このように、トライトーンを持つコードからトニックコードに進行し、その不安定さを解消することを「トライトーンの解決」と言います。
そして、ドミナントコードからトニックコードへと連結する進行(V7→I△7)をドミナントモーションと言います。
マイナーダイアトニックコードでのドミナントモーション
ドミナントモーションは、マイナーキーであっても同様です。
コードの機能と特徴でもお話ししましたが、マイナースケール3種類のうち、基本的にはナチュラルマイナースケールで考える方がいいでしょう。
ナチュラルマイナースケールを補足する形で、ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールを使用するといいと思います。
ドミナントモーションをナチュラルマイナーで考えると、ドミナントコード部分はVm7ですので、Vm7→Im7となりますね。
もちろん、それでも問題ありません。
ただ理論的には、ナチュラルマイナーはドミナントコードを持たないので、ドミナントコード部分だけは一時的に、ドミナントコード(V7)を持つハーモニックマイナーやメロディックマイナーとして考てみるといいでしょう。
そこで、Aマイナーキーで考えてみると、Em7→Am7(Vm7→Im7)ではなく、E7→Am7(V7→Im7)となります。
このマイナーダイアトニックコードでのドミナントモーションも、非常に解決感が強いです。
なお、マイナーキーのドミナントモーションでは、Vm7→Im7もV7→Im7も、ともに良く使われます。
しかしまぁ実際のところ、ナチュラルマイナーはドミナントコードを持たない、とか細かいことは考えず、臨機応変にいきましょう。
音楽理論ではなく、センスを重視するのが音楽ですからね。