ギターピックアップには大別して2つの種類があるとお話ししました。
それはシングルコイルピックアップとハムバッキングピックアップ(ハムバッカー)でしたね。
1つのコイルから成るピックアップがシングルコイルピックアップで、2つのコイルから成るピックアップがハムバッキングピックアップです。
それらはコイルが1つか2つかという、単純にコイルの数での種類分けなのですが、実は根本的なピックアップのシステムによってもまた区分があるのです。
それが、今回お話しするパッシブピックアップとアクティブピックアップの違いです。
エレキギターのピックアップにおいては、システム的に考えるとこれら2種類のタイプがあるのです。
アクティブ・ピックアップ開発の経緯
市販されているギターピックアップのほとんどがパッシブピックアップです。
このタイプは、もうそのまま、マグネット(磁石)とエナメル線によるコイルそのものと言えます。
コイルが弦の振動を拾って、それを電気信号に変えると言う、いたってシンプルな構造だと言えますね。
ここで思い出していただきたいのは、そういう単純なシステムであるがゆえにノイズが発生してしまうという点です。
2つのコイルを使ってダブルコイルとし、逆磁極で逆位相の波形ノイズをぶつけることでノイズを軽減しているハムバッキングピックアップでさえも、多少のノイズは出てしまいます。
さて、そういったノイズ対策を極限まで追求して開発されたのがアクティブピックアップなのです。
アクティブピックアップの特徴
通常のパッシブピックアップの電気信号はハイインピーダンスという仕様なのですが、アクティブピックアップは、それをローインピーダンスと言う出力の低い電気信号に変換してノイズ成分を軽減しているのです。
しかし、ハイインピーダンスをローインピーダンスに変換するためには、何らかのエネルギーが必要になってきます。
そのために、アクティブピックアップにはプリアンプ(増幅回路)が内蔵されているのです。
簡単に言うと、アクティブピックアップは、ハイインピーダンスから、外来ノイズを受けにくいローインピーダンスに変換するためにプリアンプを使用するピックアップシステムだと言う事ですね。
また、そのプリアンプを駆動するために9V電池(角電池)が必要になってきます。
なので、アクティブピックアップを使うには、必然的に9V電池が必要になるので、ボディ内部に電池を納めるためのスペースも必要になってくるわけです。
ストラトキャスターであれば、ピックガードを外して、その中に電池を押し込めばいいのですが、バッテリーキャビティ(電池を収めるための穴)やバッテリーボックスが無いようなギターだと困ってしまうのが難点と言えば難点。
さて、このアクティブピックアップですが、本当にノイズが少ないです。
たとえシングルコイルピックアップであっても、アクティブタイプであれば、ハムバッキングピックアップのパッシブタイプと同じくらい、いや、むしろそれよりもノイズを感じさせないほどです。
シングルコイルピックアップの音が大好きなんだけど、ノイズだけは何とかしたい、と思っているシングルコイル派のギタリストにはオススメです。
まぁ、ピックアップ自体にプリアンプをかませることによって、ギター本来の音が・・・と言った意見はありますが、極端なことを言えば、ミスピッキングした時でも、しっかりとプリアンプで音を拾って出力してくれるので、ギターが弾きやすく感じられるのはメリットだと思います。
もちろん、ミスしても大丈夫!ってことではありませんけどね。
それに、アクティブピックアップ特有のコンプレッション感を好きではない人もいます。
でも、
このコンプレッション感でのカッティングがとてもいい!
音の粒立ち具合がとてもいい!
と僕は思っているので、僕は結構アクティブピックアップが好きですね。
アクティブピックアップの有名どころ
アクティブピックアップの代表と言えば、これはもうEMGです。
アクティブタイプのシングルコイルピックアップも、ハムバッキングピックアップも各種用意されていますから、その中でも自分好みのピックアップが見つかるのではないでしょうか。
アクティブピックアップ自体の種類は、パッシブピックアップと比べると圧倒的にその数が少ないのですが、他にも、セイモアダンカンのLiveWireとかBlackoutsなどがあります。
また、海外には、日本ではあまりメジャーでないようなブランド、メーカーから出ているアクティブピックアップがいくつかありますので、僕もいつか試してみたいと思っています。